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社宅管理のDX化を力強く支援 中堅・中小企業に特化したサービス「しゃたくさんLite」開発秘話

2024.08.09

日本社宅サービス株式会社では、中堅・中小企業向けのクラウドサービス「しゃたくさんLite」をリリースしました。20年にわたり培ってきた社宅管理のノウハウを余すことなく注ぎ込み、低価格でありながら使いやすさを追求した本サービスは、社宅管理業務のDX化を後押しします。その開発の裏側に迫りました。

“説明書が要らない”を追及した、こだわりのUI

中堅・中小企業では人的リソースやコストの制約から、社宅管理の効率化が大きな課題です。しかし、社宅管理のアウトソーシングサービスでは、規模や費用面でハードルが高く、ニーズに合わないケースが少なくありません。営業を担当するマーケティンググループの田淵貴博は、「日々の営業活動を通じてこうしたすき間市場の存在に気づきました」と話します。

マーケティンググループ しゃたくさんLite推進チーム チーフ 田淵 貴博

「社宅管理の効率化を目指す企業様には、大きく2つの選択肢があります。社宅管理システムを導入するか、社宅管理業務そのものを外部の代行サービスに委託するか。ところが前者では、システム導入だけでは業務負荷の大幅な削減は望めない。かといって後者は、コストや手間の面でハードルが高い。そのジレンマを解消するのが『しゃたくさんLite』です。 『しゃたくさんLite』は、システムの提供だけでなく、社宅管理の代行サービスも手頃な価格で利用できます。まさに両者の『良いとこ取り』といえるサービスなのです。導入した企業様からは、『コストを抑えつつ、社宅管理の課題解決につながった』とご好評をいただいています。システムと代行サービスの融合は、『しゃたくさんLite』ならではの強みですね」

「しゃたくさんLite」のシステム開発において、特にこだわったのがユーザーインターフェース(UI)です。直感的に操作できるシンプルな画面設計を目指し、デザイン会社とも協業しました。

ITサービスグループの田川信行は、当時のことをこう振り返ります。

ITサービスグループ システム企画・開発チーム マネージャー 田川 信行

「エンジニアが画面設計すると、エクセルで作った表をそのまま反映したような、わかりにくく格好悪いデザインになってしまうのです。そこで今回は、ゲームやクリエイティブ事業を得意とするWebデザイン会社様にUIのデザインを依頼しました。社内のプロジェクトメンバーによる幾度ものレビューを経てブラッシュアップし、説明書がなくても迷わず利用できるUIを追求しました」

社宅管理のノウハウを詰め込んだサービス

さらに、社宅管理サービスで長年培ったノウハウを惜しみなく注ぎ込み、他に類を見ない専門性の高い機能を実装。ユーザーの負担軽減を目指します。

「社宅管理の現場では、想定外の事態に直面することがあります。たとえば、契約金の支払い先が2カ所に分かれていたり、冬場だけ設備関連費用が上乗せされていたりするケースです。こうした例外的な状況にも柔軟に対応できるのが、『しゃたくさんLite』です。2カ所の契約金送金先を登録できたり、特定の月の家賃を変更できたりする機能をつくりました。さらに、家主が海外にいる場合、家賃の一部を納税する必要があるのですが、これもシステム上で管理できるようにしています」(田川)

また社宅管理業務の引き継ぎは、マニュアルや作業リストの受け渡しと、口頭での説明が一般的です。しかし、この方法では伝達ミスや作業の抜け漏れが起こりがち。そこで「しゃたくさんLite」は、作業リストをシステム化することで解決を図りました。

システム開発の指揮をとったマーケティンググループの水原恭之は、こう話します。

マーケティンググループ しゃたくさんLite推進チーム チーフ 水原 恭之

「賃貸借契約の実務に精通した社員と協働し、誰がいつ何をすべきかを画面上でわかりやすくリスト化しました。先任者の説明に頼らずとも、システムが正しい業務の手順を案内してくれるのです。その結果、担当者の能力に関係なく、契約の進捗状況を管理したり、必要な書類を作成したりすることができ、間違いや抜け漏れがなくなります。『しゃたくさんLite』は、まさに“属人化しない”社宅管理を実現するツールといえるでしょう」

こうした手厚い機能にこだわりながら、価格面でも利用企業の負担に配慮しています。開発にあたっては、オープンソースソフトウェアを採用することでランニングコストを抑え、年間利用料を低価格に設定することができました。

お客様の声を起点とした改善・進化

サービス開始から1年。「しゃたくさんLite」を導入した企業からは、高く評価されています。

「特に評価いただいているのは、実務に即したシステム設計だと思います。たとえば社宅管理では、年に一度の支払調書作成が重要な業務の一つです。ところが社宅管理システムの多くは、平面的な管理機能しか持たず、こうした業務に十分対応できていないのが実情でした。それに対し『しゃたくさんLite』は、社宅の契約更新履歴や支払情報などのデータ構造を立体的に管理します。支払調書作成もシステム内で完結できるため、『細部まで精緻につくられている』と、ご好評をいただいています」(水原)

こうした声は、社宅管理の実務を隅々まで理解し、きめ細かく設計されている証左といえます。一方利用企業の皆様からは、対応可能な業務範囲の拡大を望む声が寄せられることもあるそうです。

「お客様からいただいたフィードバックは私たちにとってとても貴重です。真摯に受け止めて改善を重ねています。たとえば各企業様の経理処理に合わせてデータ出力機能を拡充するなど、常にユーザー目線に立った使いやすさを追求しています」(水原)

「まずは『しゃたくさんLite』をより多くの方に使っていただくことが、何よりも重要だと考えています。お客様の声に耳を傾けニーズを的確に捉えながら、これからもシステムの品質向上に全力で取り組んでいきたいと思います」(田川)