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「地域共創BPOサービス」をスタート!地方自治体のワーカーと連携し、企業の課題解決を支援!

2023.06.02

日本社宅サービス株式会社では、自治体やその関連団体と連携し、地方の「潜在的労働力」を活用することで企業の課題を解決する「地域共創BPOサービス」を開始しました。すでに長野県安曇野市のワーカーに業務を委託した活用事例も生まれているなか、今回は日本社宅サービスのBPO支援グループのメンバーに取材を行いました。

BPOへの需要が拡大するなかで、新サービスのアイデアが誕生

日本の各地域には、働きたい意志がありながら、条件に合う仕事が見つけられずに就業できていない方々がいます。そうした社会課題を解決すると共に、企業の課題解決を支援するために開始したのが『地域共創BPOサービス』です。

『地域共創BPOサービス』では、日本社宅サービスが窓口となって企業から業務を受託し、その業務を地域のワーカーに再委託します。

自治体や地域ワーカーとの連携推進を担当するBPO支援グループの森桃子は、『地域共創BPOサービス』を開発したきっかけについて、このように語ります。

日本社宅サービス株式会社 BPO支援グループ 森 桃子

「日本社宅サービスでは以前からBPOサービスを提供し、多くのお客様の総務・人事関連の課題解決に貢献しています。これまでは社内や都市部のパートナー企業のリソースを活用していましたが、それだけではお客様の需要の拡大に応えられなくなってきました。新たなリソースの確保を検討しているなかで、『働きたくても働けていない地域の“潜在的な働き手”の方々と連携できないか』と考えたのです」

日本社宅サービスのBPOのノウハウを活かし、セキュリティや品質面を担保

『地域共創BPOサービス』の実現に向けてさまざまな方法を模索するなかで、BPO支援グループは地域ワーカーの新しい働き方を支援するKADO(一般財団法人 塩尻市振興公社)との協力体制を構築しました。そして、『地域共創BPOサービス』の第一弾として、半導体・電子部品の技術商社である株式会社グローセル様の年末調整業務を、長野県安曇野市のワーカーチームに委託しました。

従来、企業が地域のワーカーに業務を委託するには課題がありました。個人情報などを扱う業務には厳重なセキュリティ対策が必要になり、その高い基準に対応することが難しかったのです。しかし、そうしたセキュリティ面においても、日本社宅サービスのセキュリティ部門がノウハウを提供。業務を行うオフィスへの入退室からパソコンにインストールするソフトウェアまでを徹底的に管理することで、万全の対策を行いました。

「安曇野市のワーカーチームに、セキュリティを確保するためのチェックリストを共有した際には、その対策すべき項目の多さに驚かれましたね(笑)。しかし、それらすべてに対応してもらえたからこそ、お客様にも安心していただける環境を構築できました」(森)

また、業務に必要な知識・スキルを丁寧にワーカーへ指導するとともに、事前にリハーサルを実施。グローセル様に協力いただいた上で、個人情報を隠した状態で年末調整業務を行い、高い業務品質を実現できることを確認したのです。

そして、グローセル様の2022年の年末調整業務の受託が決定。グローセル様も快く安曇野市のワーカーへの委託を認めてくれたと、BPO支援グループの海老澤昂祐は言います。

日本社宅サービス株式会社 BPO支援グループ 海老澤 昴祐

「グローセル様は、従来の当社のBPOの品質にご満足いただいていたこともあり、同様のセキュリティと品質が担保できるのであれば委託先は当社に任せるとお話をしてくださっていました。地域創生へとつながるこのサービスのご説明を差し上げた際は、地方のワーカーさんに委託をすることについて、当社同様に大きな意義を感じてくださいました。」

サービス拡大に向け、取り組みを推進

安曇野市のワーカーによる年末調整業務はトラブルもなく終了し、その品質にはグローセル様にもご評価いただけたといいます。また、ワーカーからも「来年の年末調整業務にもぜひ取り組みたい」という前向きな声があがってきているそうです。

日本社宅サービスの強みを活かせる『地域共創BPOサービス』には大きな可能性があると、BPO支援グループのグループ長を務める石田桃子は今後の展望について話します。

日本社宅サービス株式会社 BPO支援グループ グループ長 石田 桃子

「当社のBPOは、お客様から単に業務の運用を引き継ぐだけではありません。ご要望や状況に応じて最適な運用方法をご提案し、きめ細かく運用ルールを定めることができるのが当社の強みです。そして、そのノウハウは『地域共創BPOサービス』でも活かすことができます。年末調整などのバックオフィス業務の担当者様の手残りを“ほぼゼロ”にできるため、企業の人手不足が深刻化するなかで『地域共創BPOサービス』への需要は拡大していくはずです」

「私たちは、近い将来、『この安曇野市のような取り組みを、是非私たちの自治体でもトライしてみたい』と考えておられる各地域の皆様の立ち上げ支援ができるようになりたいと考えています。2023年3月には、新潟県糸魚川市と協力して、各地域で地域共創WORK SHARE PROJECT(ワークシェアプロジェクト)を立ち上げる際に見本となる『運営モデル』を構築することを目指して連携協定を結びました。
この取り組みは、企業の皆さんと地域の皆さんの双方が幸せになっていただけるからこそ意味があるのだと思っています。これからも私たちに関わってくださっている皆様のお力や知恵をお借りしながら、一歩一歩進んでいきたいと思います。」

【株式会社グローセル 責任者様のコメント】
日本社宅サービスさんのBPOサービスのお話をうかがっているなかで、「地方共創」についてのお話もうかがい、非常に意義深い取り組みだと感じて賛同しました。年末調整業務をアウトソーシングしたことで人事部の生産性が向上するとともに、社員からも「申請がしやすくなった」という声が寄せられています。業務品質についても満足しており、別業務もアウトソーシングさせていただきました。弊社としても地域活性化をご支援できれば幸いです。

【安曇野市(KADO)様のコメント】
日本社宅サービスさんから年末調整業務のお話をいただき、KADOの目指している「時間的制約のある方に就業の機会を作る」にマッチした業務であり、是非、お受けしたいと思いました。実際に業務を行ってみて、ワーカーさんが個々のライフスタイルに合わせられたので、皆さんとても喜んで業務を行っていました。
今回参加させていただいたメンバーを中心として年末調整業務が拡大し、他のKADO拠点にも業務展開ができるようになればと思います。

【業務リーダーを担当したワーカーさんのコメント】
子育て中でフルタイム勤務が難しいため、KADOにワーカーとして登録しました。今回、出産前まで勤めていた会計事務所での知識が活かせる年末調整業務に参加できたことに、やりがいを感じました。
以前勤めていた時とは、税法が変わり、専用の入力システムの使い方など戸惑うこともありましたが、日本社宅サービスさんに研修やトライアルで作業の進め方を事細かに、そして丁寧に教えていただけたので本番では大きなトラブルもなく、スムーズに作業が進められました。
メンバーに確定申告の窓口業務に携わっている方がいたので、役割分担をして少し複雑なケースにも対応することができました。

左)株式会社グローセル 人事・総務本部 人事部長 畠山 正様
右)一般財団法人 塩尻市振興公社(KADO) 業務リーダー 中澤 千亜希様